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■アリアケギバチ
Pseudobagrus aurantiacus (Temminck and Schlegel, 1846)
ナマズ目ギギ科
解説
全長35cmに達する。日本の固有種で九州のみに分布する。有明海流入河川に多い事もあり和名に”有明”とあるが、九州全県に分布するなど、その分布範囲は広い。黄色と褐色のマーブル模様が美しいナマズ。肉食性で夜行性。主に河川中流域に見られる。多くの生息地で移入されたギギに生息場を奪われ減少傾向にある。特に筑後川水系や川内川水系での影響は深刻で、近い将来絶滅することが懸念されている。
▲尾鰭は上部が長いのでネコギギやギバチなど国内種や国外産近似種など、同科のナマズとは識別できる。また尾柄は幅が広い。
▲背鰭は長く、胸鰭の棘はよく発達しており太く前縁の鋸歯構造がよく目立つ。
幼魚。大きさは6cm程。カラフルなマーブル模様が個性的なナマズ。
成魚。大きさは30cmほど。背鰭が長いので良く目立つ。また各鰭も大きく、細長い体型をしていながら非常にがっしりとした容姿に見える。40cm程に成長する個体もいるようだ。
各地域のアリアケギバチ
福岡県。成長しても比較的模様が残る。国内外来魚としてギギが各水系で猛威を振るっているが、堰堤やダムで遮断された環境だと本種が生き残っている事も多い。
大分県。局所的に見られた個体。本種は生息河川でもかなり限られたエリアにしか見られない事も多く、生息地の分断化が進んでいる。
鹿児島県。中流域を好む傾向が強いが、気候が比較的温暖な為か、山間部の上流域に多く見られた。
宮崎県(大淀川水系)。宮崎県の大淀川水系に分布する個体群は他の地域のアリアケギバチと遺伝的にかなり異なるようで、形態的な差異もあるかもしれない。残念ながらその水系では殆ど見られなくなっている。
宮崎県(移入個体群と思われる)。由来は定かではない為、詳しい調査が必要。
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