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アカザ・クレード1

Liobagrus reinii species complex Clade 1 (Hilgendorf, 1878) 

ナマズ目アカザ科

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解説

全長12cm程に成長する小型のナマズで、分布域は東北~中・四国地方までかなり広域に分布する。(九州には分布しない)しかし、その分布域では地理的に個体群が細分化しており、東北日本海側に分布するクレード1-4については大型化し、将来的に別種に分類される可能性もあるなど今後の分類においても更なる研究が待たれる。また、東京都など、関東地方では本来分布していなかったが、系統地理に基づいた遺伝子解析によると近畿・東海地方に産するクレード1-2が国内外来種として帰化・定着している事が分かっている。体型は細長く、体表には細かな斑点が見られる。主に河川上・中流域の流れの速い場所に見られるが、条件が良い場所だと下流域や用水路などでも見られる。夜行性で肉食性。高知県レッドリスト2017改訂版では、本種をアカザ属の一種 Liobagrus sp. としている。

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▲傾向的特徴② 体表に不揃いな脱色班​がある。老化個体や個体によっては不明瞭である。(画像はクレード1-1)

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▲傾向的な特徴① 尾鰭は丸みはあるが広がっても団扇状にならずいわゆる台形に近い。(画像はクレード1-1)

アカザ・クレード1のそれぞれ分化した4系統

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クレード1-1
主に四国地方東部、広島県から兵庫県、近畿南部に見られる集団で、比較的小型で細身、大きくても12cmまで。尾は四角に近い円形で、他のサブクレードより丸みが弱く、頭部や各鰭は小さめ。別種アカザ・クレード2と高知県東部、広島・島根県及び岡山県、兵庫県で混生する。

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クレード1-2
主に近畿地方、東海・中部地方に見られる集団で、特に東海地方では個体数は多い。また移入として東京都など関東地方等で定着が知られており、国内で最もよく見かける機会の多い集団といえる。そのため、国内で”アカザ”といえばこの系統が一般化している。他のサブクレードより体型が太く寸胴で、各鰭は大き目で尾鰭の丸みの強い個体が多く、形状がアカザ・クレード2と近い印象を受ける。

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クレード1-3
極めて局所的に存在する集団で、静岡県とその上流に当たる長野県からのみ報告がある。個体数も多くない。C1-2とよく似ているが、こちらの方はやや体高が低めで尾鰭の丸みも弱い。体表の脱色班はきめ細かく密になる印象。

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クレード1-4
日本では最も北側に分布する集団で、このサブクレードの中では特別大型化し、14cmに達する個体も珍しくない。C1-1と同じように細長い体型だが、こちらの方は太長いといった具合で、全体的にごつい体つきをしている。脱色班は大き目だが不明瞭で体色は暗い個体が多い。北陸地方に分布するアカザ・クレード1はこの集団と特徴が似ており、同系統の可能性も考えられる。

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